施設介護に不満があり、自宅介護に戻そうと思っているのですが・・・

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CSLabに寄せられた介護相談についてご紹介します。

現在、母親を介護施設に入居させているが、施設介護に不満があり、自宅介護に戻すつもりでいるご家族からの相談。相談の中心となるのは良いケアマネの選び方についてです。僕が回答した内容は一般的なものであり、同じ悩みを持っている方にも通じるものがあると思い、シェアすることにしました。

なお、相談は個人からのものであり、個人を特定できないよう文章については少し変更しています。僕の回答もより一般的なものになるよう制度的な説明を付け加えました。



相談への回答

こんばんは。お母様が自宅に戻られることを検討されているとのことで、できるだけお力添えさせていただきたいと思っています。確かに在宅介護は担当ケアマネでずいぶん変わります。また同じくらい在宅医療(訪問診療)を任せるかかりつけ医師も大事になってきます。

かかりつけ医については、居宅介護支援事業所ほど選択肢は多くないと思います。ケアマネの前に、まずかかりつけ医を決めるのも手だと思います。訪問診療をしている医師なら、ケアマネとの付き合いがあります。医師からよく連携しているケアマネを聞いて、そのケアマネにするのも良いのではないでしょうか。

またおっしゃる通り、あまり遠い診療所は避けたほうがいいと思います。何かあったときすぐに駆けつけてくれる診療所のほうが、のちのち、お互いにとって負担が少ないと思います。

自宅に戻ってきてから利用するサービスとして、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」はどうでしょうか。それとも介護と看護は各々のサービスを組み合わせた方が良いのでしょうか?

これはその地域にいるケアマネでないとわからない部分もありますので、回答しにくいところです。サービスの組み合わせも最初からうまくいくというより、試行錯誤する場合が多いです。利用するサービス事業所が多くなると、利用したり、やめたりといったことは普通に起こります。この部分の調整はまさにケアマネージャーの専門とする領域です。ある程度ケアマネに任せておけばよい部分だと思います。ご家族でどこにどんな介護サービスがあるのか?まで調べていくと、とても負担が重くなります。

フルタイムで働いているので、自分がいないときも介護事業所の方に自宅に入ってもらうことになると思います。そのとき、色々な介護サービスを利用する際に自宅の鍵はどのようにすれば安全なのでしょうか。

僕が知る限りにおいてお答えしますが、ホームセンターなどで玄関の外に取り付ける施錠付きのボックスがあるはずです。そこに自宅の鍵を入れておき、そこからサービス事業所に鍵をとってもらうという手があります。使ったあとは鍵をそのボックスに戻します。何人かの利用者はそのように運用していました。他にも何か方法があるかもしれません。訪問介護事業所の人なら、そういうことに詳しいと思います。

すぐに自宅に戻る事が決まっていなくても、ケアマネージャーさんには相談に乗って頂けるものでしょうか。

自宅に戻ることが決まっていなくても、介護の相談には無料で乗ってもらえます。もしそこで嫌な顔、めんどくさいといった取り扱われ方をされたら、その居宅介護支援事業所とは契約しないほうがいいと思います。

あとご存知かもしれませんが、在宅のケアマネとの契約には「居宅介護支援事業所」と行うものと、「小規模多機能型居宅介護」と行うものがあります。

「小規模多機能型居宅介護」は在宅介護サービスの一種です。ですが、ちょっと他にはない特徴があります。ここと契約すると、ケアマネ、デイサービス、訪問介護、ショートステイが自動でついてきます。つまり、一つの事業所でデイ、訪問介護、ショートが一体的に提供されることになります。訪問看護や福祉用具貸与などの他の介護サービスはどこでも好きなところを選ぶことができます。

●小規模多機能型居宅介護のメリット
・職員が固定されているため細かい要望が通りやすい
・ショートステイが取りやすい
・訪問介護もデイも、回数・サービス内容など柔軟に対応してくれる。ちょっとした回数や内容の変更のたびに、いちいちサービス担当者会議を開かなくていい。これは地味に効いてきます。サービス担当者会議はケア内容を見直すためのもので、普通は6ヶ月に一回の頻度で開催されます。しかし利用者の状態の変化などで、サービス内容に変更があった場合、原則的に関わっている全サービス事業所を開催場所は自宅になり、利用者本人とご家族が参加することになります。

●小規模多機能型居宅介護のデメリット
・希望しても他のデイ、訪問介護、ショートステイが利用できない
・特にデイサービスは事業所ごとに特徴が大きいので、選択肢が一つしかなくなる
・担当ケアマネやサービスが合わないとき、ケアマネとデイ、訪問介護のサービスがまるごと変更になる。また一からすべての事業所と契約書をとりかわさなくてはいけなくなり、仕事をされていることを考えると、負担は大きいと思います。

居宅介護支援事業所のケアマネと契約すると、上記のほぼ逆のメリット・デメリットのサービスを利用することになります。一般的に言って、重度の要介護者は介護サービスを多く利用することになります。すると、訪問介護にしろデイサービスにしろ、複数の事業所にまたがって利用することが多いです。理由は訪問介護事業所であれば、希望の日時にヘルパーを用意できないことがあるからです。○曜日の○時にはヘルパーがいないため他の事業所を追加とか。

またデイサービスでは受け入れ定員の問題があります。○曜日は定員いっぱいなので他のデイを追加など。リハビリもさせたいので、週に2回はデイケアを利用するといった積極的な理由で複数のデイを利用することもありますが。

問題になるのはとくに訪問介護だと思います。複数の介護職が家に出入りすることになります。これが小規模多機能型居宅介護なら、ある程度職員が固定されます。デイでの様子もよく分かっているので、状態の違いなどもよく把握してくれているのは安心材料になります。

ケアマネとしては、利用する事業所数が多くなると調整が大変になるので一つのサービスにつき、一つの事業所にしたいと思っていますが、現実的には難しいです。小規模多機能型居宅介護なら調整の大変さからある程度解放されるので、サービス内容についての要望を聞いてもらいやすくなるのではないでしょうか。ただ、これはどこの事業所にでも言えることですが、サービスの質はそれぞれバラバラです。細かい要望まで聞けて、それを反映できる余裕のある事業所もあればそうでないところもあります。

さらにもっと大事なのは「相性」です。こればかりは利用してみないと誰にも分かりません。居宅のケアマネは長年の勘で、利用者と相性の合いそうな事業所を選択しますが、勘がはずれることもあります。もちろんケアマネとの相性が大事なのはいうまでもありません。たとえ知識があり、社会資源をより多く知っているケアマネでも相性が合わないと、満足できないと思います。手術の腕さえ確かなら、人間性にはある程度目をつぶれる医師とはこの点でまるっきり違います。

大事なのは居宅介護支援事業所にしろ、小規模多機能型居宅介護にしろ、たとえ細かいことでも要望があればケアマネージャーに相談することです。その話を聞いて各事業所に連絡し、調整することがケアマネの仕事ですから、遠慮はいりません。家族がケア内容をきちんとチェックし、要望を入れることで、事業所のケアの質は高まっていくと僕は考えています。その上で、なかなかうまくサービスが受けられないなと感じたら、ケアマネ変更という手段をとります。

といろいろ書いてきましたが、居宅介護支援事業所が雇用しているケアマネの経歴などの情報を開示しているところはほぼありません。ですので、良いケアマネに巡り会えるかは運に左右される、というのが現状です。こう言うと身も蓋もないのですが、残念ながら事実です。在宅のケアマネージャーは変更することが可能です。
そのため、「良いと思える人に巡り会えるまでは気長に待つか」、という姿勢をどこかに持っていないと、なかなかしんどいかもしれません。

僕がお答えできる部分のみになりましたが、また何かご相談があればいつでもメールを下さい。細かいことでもなんでもけっこうです。お待ちしています。



CSLabでは、メール・電話による介護相談を無料で受け付けています。
電話は090-8191-9953まで。東野に直接つながります。
メッセージは①お問い合わせ、②フェイスブック、③メール(kaigo.sw@gmai.com)のいずれかまでお願いします。
なお、ご相談内容は当サイト上で公開する場合があります。個人が特定できないように加工しますが、公開されたくない方はその旨をお伝え下さい。

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