介護保険料を滞納すると?罰則とその仕組み

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介護保険の財源の仕組みはちょっとややこしい。財源は保険料と税金が半々である。保険者は市町村になっていて税金部分を負担しているが、そこに都道府県も関わってきたり、調整交付金などもからんでくる。図のほうが分かりやすいので下に掲載した。日本健康組合のものがわかりやすかった。2018年8月現在、利用者負担は一律で1割ではなくなってしまったが、それは見ないことにしてください。

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日本健康組合 http://www.nikkokenpo.jp/care/financial.html

図のように、市町村が負担する割合は全体の12.5%である。また保険料は市町村である保険者ごとに決められるが、人口規模、人口構成(どれくらい高齢者が多いか)に差があるため、保険料は一律にならない。隣の市町村では介護保険料が1000円高い(安い)なんてことになる。

65歳以上の人は年金から強制的に介護保険料が天引きされている。これを特別徴収という。年金が少ないなどの理由で保険料を自分で振り込むのを普通徴収と言う。多くの人は特別徴収である。普通徴収の人はわずかだ。普通の人は特別徴収。特別な人は普通徴収。ややこしい。これ言葉を反対にすべきじゃないか?というのが僕の長年の疑問なのだが、まあそれは横に置いておこう。

この普通徴収の人が保険料を払い忘れていたり、積極的に支払わなかったりすると、資産の差し押さえ処分をくらってしまう。また、滞納をそのままにすると、いざ介護保険サービスを利用したいとなったときに各種のペナルティが課されてしまう。

介護保険料の滞納によって資産の差し押さえ処分を受けた人が過去最多となったことが、厚生労働省の調査で分かった。また、滞納期間が一定以上となった人に「罰則」として科される利用者負担3割の対象となった人も、過去最多に迫る数となった。
介護保険料を滞納した場合、状況によっては資産の差し押さえ処分の対象となる。また、滞納期間が長引くと利用者負担割合が3割に引き上げられるなどの「罰則」が科される場合がある。

「罰則3割」過去最多に迫る、滞納差し押さえは最多

ケアマネジメント・オンライン http://www.caremanagement.jp/?action_news_detail=true&storyid=15035&view=all

介護保険料を滞納したときのペナルティについて

最新の調査では資産の差し押さえにあった人は全国で1万6161人。今までで一番多かったようだ。上の記事にもあるように、保険料を滞納していると(またそれが悪質だと判断されると)、資産を差し押さえられる。保険料の納付期限までに保険料が支払われないと、行政から郵便や電話、あるいは訪問などにより督促される。それにも従わない場合、財産の仮差押えを行う旨の内容が通知され、さらにその納付期限まで過ぎてしまうと、延滞金まで発生する。

差し押さえられる対象は、預貯金や生命保険等の金融資産。年金が少なくてもそれなりの預貯金を持っている=支払い能力があるにもかかわらず、支払い拒否をする人は差し押さえられると考えていいと思う。

また、差し押さえを受けない人も納付期限までに支払わないと、介護保険サービスの自己負担割合が上がったり(2〜4割まで)、償還払いになったりする。償還払いとは、利用したサービス費用の全額を一度自己負担し、後で申請して保険給付分を払い戻してもらう払い方である。

だいたいどこの市町村も次のような対応をしている。

1年間滞納すると・・・
サービス利用時の支払い方法の変更が償還払いになる。

''1年6カ月滞納すると・・・
''「償還払いになっている方の保険給付額の支給について、一部、または全部が差し止められる。

2年以上滞納すると・・・
納付期限から2年が経過してしまうと、保険料は納めることができなくなる。で、だいたい利用者負担が3割に引き上げられる。また、高額介護サービス費等の支給も受けられなくなる(とうぜんと言えばとうぜん)。

負担割合3割のペナルティを受けた利用者はどうしたか

僕が介護保険のサービス利用の相談を受けた利用者で、娘さんと二人暮らしの女性がいた。介護認定を受けてもらい、戻ってきた介護保険証を見せてもらうと、そこに「給付制限」の文字が印字されていた。その利用者の場合は負担割合が3割になっていた。

3割負担の期限は1年。支払期限の2年は過ぎてしまっていたので、追納することはできない。サービスを利用するなら3割負担で使ってもらうしかない。そういった給付制限について説明すると、それなら介護サービスの利用は控えると言われた。保険料を納めて、給付制限がなくなった1年後、改めて僕がケアマネージャーとして担当し、サービス利用に至った。

上の人はもともと認知症もなく、ADLもほとんど自立、さらに同居家族がいたので生活が可能だった。だから特別な問題というのはなかった。困るケースはがっちり介護が必要な利用者である。そういう人が給付制限を受けていると、その制限がかかった条件のまま介護保険サービスを受けてもらうしかない。負担割合が高かろうが、支払える範囲でケアプランを組み、やっていくしかないのだ。

あまり大きな声では言えないけれど、この点、生活保護受給者の方がやりやすい。本人負担分は介護扶助から支給されるため、給付制限を受けないからだ。生活保護世帯にはかからないけれど、収入が少なくて生活するのにカツカツという利用者がいろんな意味で辛い。

このさき介護保険料負担は上がっていく

僕はまだ40歳になっていないので、介護保険料は払っていないが、近い将来には払うことになる。介護職や相談員、ケアマネの給料はこの介護保険料からでている(税金も入っているが)ので、支払うのはやぶさかではない。というか強制保険なので支払うしかない。そこには選択の余地はない。

でも介護保険料の平均額は5000円をゆうに超えている。自治体によっては8000円になっている所もあると聞く。保険料負担は必要とはいえ、徴収されるほうにしてみればちょっとなあという額である。これからも保険料負担はあがっていくことが確実で、それを死ぬまで支払っていくのである。そう考えると、あまり長生きするのもどうかなあ、というのが僕の偽らざる本音である。いちおう介護関係の仕事をしている人間の意見としては不当なのかもしれないが、いいですよね、そんな意見があっても。

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