あなたの年金にあわせた高齢者住宅の選び方・探し方

今回取り上げるのは『あなたの年金にあわせた高齢者住宅の選び方・探し方』という本。
著書はぐるーぷワイフ。機関紙、広報誌、自費出版などの製作をおこなう編集プロダクション。1976年投稿誌「わいふ」を発刊されるされるために設立。著書は「倒産する老人ホームしない老人ホーム」他。

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自分の将来の年金額って知ってますか?

将来、自分がもらう年金がいくらになるか計算している30,40台の方はいるでしょうか?今の仕事を定年まで務めるとして、まあ昇給も順当にするとして、40年満期で年金を収める。いま現在専業主婦の方は計算が難しいかもしれませんが、ずっと専業主夫の場合と、仕事をしてたならそのときの給料をもとに計算してみてください。

個人年金をかけている人もいればすべて合算します。また受給開始年代によっても受け取れる額が変わってきます。自分が何歳から受け取るかまでを一度シュミレーションしてみたら面白いかもしれません。

僕なんかはちょっと怖くてシュミレーションする気になれません。12年会社員をしましたが、いまはフリーランスだし、妻の扶養に入っているし、会社の正社員で就職しようとしても子供が小さいうちはまだ無理だし・・・。なんて考えると、果たして高齢者になったときに、生活できる額の年金がもらえるか、いまからかなり不安が強いからです。まあ僕が年金を受取る時代には年金制度が崩壊している可能性もわずかばかりあるので、それに期待しています。

話がずれてしまいましたが、本筋に戻ります。

老人ホームは超高額商品って知ってましたか?

年金に合わせた高齢者住宅の選び方は重要ですね。中には高齢になっても社長や会長職に居座り(実質仕事してなくても)、高給をとっている人もいれば、定期的な不動産収入があって安泰。左うちわという人もいます(うらやましい)。そういう人たちにはあまり関係のない話かもしれませんが、多くの高齢者は月々の年金で生活していると思います。

とうぜん老人ホームに入るとなれば、ホームにかかる月々の費用と自分の年金をはかりにかけて選ぶことになります。「有料老人ホーム」には入居一時金が設定されている場合が多く、数百万から数千万円、なかにはどこにそんな金持ちがいるんだという数億円という額を設定しているところもあります。

最近増えてきたのが、入居一時金のないホームです。こうしたところは月々の費用も比較的安いですが、最安でも10万円以上はかかります。介護施設に入ると、10〜30万円を毎月(毎月です!)支払います。しかも場合によっては数年間。さらに場合によっては10年以上になる場合も(要介護者が存命の限りずっと)。総額はものすごい額になります。以外とこういうお金の考え方をする方はいません。

介護施設に入居するときはいつも急な場合

なぜかというと、有料老人ホームという介護施設に入居するときというのは、緊急的な場合が多いからです。みんなとりあえず部屋が開いているにホームに入居させる、という形をとる場合が多いのです。

そのときには家族の目で検討することはほとんどありません。ケアマネジャー、病院の相談員、老人ホーム紹介センターの営業員などから適当に毎月負担できる費用と、本人の介護度、医療依存度で対応できるホームに入れることになります。

上で書きましたが、介護施設に一度はいったら、とくに高額な入居一時金が発生する有料老人ホームの場合、退去・転居は簡単ではありません。よほどお金に余裕がある方なら別ですが、金銭的な問題は大きいです。何よりお年寄り本人に重い負担がかかります。環境を短い間に極端に変えると、認知症を悪化させる原因になります。

要介護者を介護するためには専門的に勉強した人が必要です。その分、どうしてもお金はかかります。ですので、高額な費用がかかること自体は仕方ありません。しかし、同じように高いお金を払っても同じようによいケアが受けられるとは限らないのです。この事実をしっかり理解しておいた上で、少しでも良い介護施設を選ぶべきです。

まさかのケアハウス推し

さて、やっと本題です。前半をここまで引っ張ったのは実は理由があります。この本を選んでちょっと失敗したと思ったのは、内容が総じて古いこと。なので紹介の仕方が難しい。昔は(といっても10年くらい前なんですが)最新だったけれど、いまはそうじゃない、ということが多かったのです。

まず本の最初のページを多く割いてケアハウスのことについて取り上げています。これからはケアハウスの時代だ、とまで書いていますが、2017年現在でそれをいうなら「サービス付き高齢者住宅の時代」です。僕自身がこれまでケアハウスに仕事上かかわったことがないので関心が薄いのもありますが。

なかに「特優賃」や「高齢者住宅」などの名前ができますが、現在は「サービ付き高齢者住宅」に統一されているので、情報が古くなっています。ケアハウスの情報はいまでも通じますので、読んでいただければと思います。

ケアハウス自体数が少なく、また重度の介護が必要になった場合退去させられるという話もきくので、入居前にはかならず重度の介護が必要になったときの対応について聞いておいてください。またケアハウスの特徴は所得によって利用料金ががらっと変わってしまうことです。

収入がある人ならシェアハウス以外にも選択肢はでてくるので、とくにこだわりのところがなければ他を選択肢にいれたほうがいいと僕は思います。理由は上にも描いたとおり終身対応が心配だからです。

意外な穴?あまり紹介されていない高齢者施設

この本で紹介されているシルバーハウジングについて。これは僕も見落としていました。高齢者施設というからには介護保険施設か有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅くらいだと思っていたのですが、シルバーハウジングという選択肢もあったよな、と。

僕が以前働いていた地域包括支援センターでは2階が特養部分。さらにその上の3階から上階がシルバーハウジングという、高齢者専用の建物でした。シルバーハウジングは行政が用意した高齢者専用のマンションと考えてよく、入居条件は地域によって違いますが、だいたい60歳以上(中には65歳以上)。夫婦どちらかが60歳以上なら、妻は60歳に達していなくても入居できると思います。

本にはシルバーハウジングの細かい歴史なども書かれていますが、一般の人には興味ないと思われるので紹介しません。シルバーハウジングには普通LSA(何の略か僕も知りません)という生活相談にのる職員がおり、生活上の困りごとを聞いてくれます。出来る範囲で動いてくれますが、介護職員でもケアマネージャーでもないので介護に関するサービスなどは専門家に紹介する形になります。自立から入居でき、介護が必要になれば在宅介護サービスを利用します。

また室内はバリアフリーになっていて、浴室、トイレには手すりもつき段差も解消されていて、体の弱った高齢者には生活しやすい作りになっています。緊急連絡装置も部屋にあるので、緊急時には誰かがかけつけてくれるといういたせりつくせりの住宅になっています。

僕も緊急装置が鳴る度に、何度も安否確認に行きました。それは本来地域包括職員の仕事ではなかったのですが、もし中で倒れているとか、最悪亡くなっているかもしれないとわかっているのにそれを見過ごすわけにもいきません。一度など玄関がどうしても開かないので、隣室の居住者に事情を話して部屋にいれてもらい、地上6階のベランダからベランダまでスパイダーマンをしたことがあります。

ここは読むべし、「重要事項説明書の読み方」

この本は全体的に情報が古く、かつニッチなところを紹介しています。たとえば高齢者のグループリビング(シェアハウス)についてなどです。また全国には数こそ少ないものの、一戸建てタイプの有料老人ホームもあるとのこと。めずらしいですね。

各高齢者施設の具体的なルポが掲載されています。ルポの内容自体はホームの宣伝に終始しているので、僕は個人的には信用していませんが、中には良さそうなホームもありました。どちらにしても文面だけではわかりませんが。

この本のなかで、ここだけは読んで欲しいと思ったのは第7章知っておきたい「重要事項説明」の読み方です。

3つの介護保険施設(特養、老健、療養型)の場合、介護保険法に則っているので重要事項説明書や契約書の内容はほとんど同じです。また入居者の不利益になる内容にはなっていません(僕の経験上)。

しかし、有料老人ホームの場合は入居者にとって不利益になることが記載されている場合があります。正確に言うと、契約する側(本人、家族)が内容を理解していないと不利益を被ることになる、ということです。

例えば入居一時金についての初期償却の割合を極端に高くしている場合や償却期間を極端に短くしている場合などもあります。その他にもどんな場合にどれくらいの費用が必要かといったこまごまとしたものが書かれています。重要事項説明書と契約書にいちどサインすると、双方の合意が成立します。あとで施設側とトラブルになったときにものをいうのは書類です。サインした契約書類などはきちんと保管しておきましょう。

老人ホームの費用は年金ギリギリにしない

この本に書かれていたことで僕も見落としていたことは、もらっている年金とホームの月額費用が同じだと、なにかあったときにたちまち困るのでやめておいたほうがよいということでした。例えば入院することになったときに、ホームの居室を残していると、家賃代がかかります。もちろん病院の入院費用もかかります。

金銭的に援助してくれる親族、知人がいない方は本当にシビアにお一人様の住居を探さないといけなくなるということですね。僕も将来にかけて準備しておかないと、まずいだろうなと思いました。

CSラボではお一人様の老人ホーム探しのご相談に対応しています。また有料老人ホームの重要事項説明書をメールに添付していただければ、注意すべきところをお教えします。っと、最期にしっかり宣伝をいれちゃったりして。

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