今後も増加?保険料滞納で差し押さえ1万3千人

画像の説明


なさんはいくら介護保険料を支払っていますか?統計によると、介護保険料の平均月額は5514円である(平成29年現在)。保険料は全国一律ではなくて、自治体によっても個人の収入によっても収める額がかなり違う。詳しい地名は忘れてしまったが、奈良県のある地域では平均額が8686円である。自治体、つまり保険者によってかなり差が出るのだ。それにしても差がありすぎではないか?と思う。そう思いますよね?

自治体独自の裁量で行う「総合事業」も始まったし、今後自治体間の格差が広がっていくだろう。まあ平均で5514円というのもけっして少なくない額だと思う。ということでこのニュースが気になった。

介護保険料滞納、差し押さえ最多1万3千人
産経新聞ニュース http://www.sankei.com/life/news/170601/lif1706010064-n1.html

行政が差し押さえまでするのはただごとではない

介護保険料を滞納したくらいで差し押さえするんだ、というのが僕の第一印象である。行政もちゃんと仕事をするのだと思った。でもこんなニュースに出てくるのは一部だけだから、この裏には保険料を滞納している人がもっと大勢いるということになる。差し押さえまで受ける人は相当な人たちだと想像する。

保険料を支払っていなくても介護保険サービスを利用していなかれば差し押さえまではされないと思う。だから要介護状態で保険サービスを利用しないといけないのだが、出せるお金がない。それじゃ差し押さえましょ、ということだろう。個々人で状況は違うと思うが、行政が出てこないと介護事業所では打つ手がない状況に追い込まれたのだ。僕も何度か同じようなことは経験しているのでよく分かる。

介護保険料はどうやって払っている?

ところで介護保険はどうやって支払って(というか徴収されて)いるかはご存知だろうか。被保険者は第1号と第2号の2種類ある。第1号が65歳以上の人である。年金を受け取っている人は年金から天引きされる。40歳以上で健康保険に加入している人(つまり普通の会社員)は給料から天引きされる。

いずれの場合も強制保険だから文句が言えない。文句を言ったところで天引きを止めることは出来ないのだ。年貢と同じである。江戸時代が終わってもわれわれ庶民はちゃんと年貢を払い続けているのだ。そう考えるとなんか腹が立ってくる。

問題はこの介護保険料が年々あがる見込みだということだ。保険料を収める人が減って、利用する人が増えるからだ。厚生労働省の試算によると、平成37年度には平均額が8165円になるらしい。平均で8000円を超えてくるという恐ろしい事態になる。もちろんもっと多く納める人もいる。収入が人より多い証拠なのだが、そういう人は介護サービスを利用するときの負担割合も3割だろう。

そうなるとこれだけ金払ってるんだから、ちゃんとサービスしろよな、と思う人たちが多くなるのは目に見えている。お金を支払う側からすればまあとうぜんの感覚だろう。

現在、65歳以上の高齢者のうちで介護認定を受けているのは約3割程度である。3人に1人は要介護高齢者ということだ。この確率を高いととるか低いととるかは人によって分かれそうだ。年齢が上がるに連れて介護を受ける人の割合は上昇していく。80代だと約半分が要介護認定を受けるし、90代になれば約7割の人が認定を受けている。認定を持っていたとしても介護サービスを利用しているとはかぎらないだのが、ひとつ確実なことがある。

介護を受けずにすますにはどうすればよいか?

僕は地域包括支援センターで「介護予防」を推進する仕事をしてきた。そこで得た結論はこうだ。

介護を受けずに死ぬには早死にするしかない。

シンプルで確実な事実である。僕は介護の仕事を生業にしてきた人間だが、要介護状態を経験せずに死ねるなら、そちらのほうがいいと思う。でも病院にかかっているとなかなか死なせてくれない。大病して生還してきた人たちを何人も見てきた。

とくこんなに何ヶ所も何度も病気や怪我を繰り返して、いま生きますね、という年寄りのなんと多いことか。まあ生きているから介護が必要になって僕たちの目の前にでてくるのだろうけれど。不幸なことに命が助からなかった人と接することはないのだから。

僕の経験上、長生きすれば誰でも介護を受ける状態になる。要介護状態にある期間に差があるだけだ。だから介護保険料はしっかりおさめていたほうがいい。

なぜ人は介護保険料を滞納するのか

上で書いたように勤め人や年金受給者は保険料を強制徴収されている。そこでなぜ滞納なんて問題がでてくるのか。実は年金の年間受給額が18万円未満の場合は自治体に直接納める方式になっていて、これを「普通」徴収という。保険料、年金からの天引きは「特別」徴収という。

一般的には「特別」徴収が普通だなのだが、一部に「普通」徴収の人がいるのだ。普通の「特別」徴収対象にならない「普通」徴収者という普通じゃない人が増えているということである。このややこしい書き方は僕のせいではない。ややこしい名称をつけた国に怒ってください。

年金が年間18万円未満しかないのにどうやって生活するのだ、と思われるかもしれない。これは家族と同居しているから生活できるのである。また介護保険の普通徴収は役所から振込用紙が送られてきて、コンビニとか金融機関で自分から収めにいかないといけない。だから保険料を払うのを忘れるか、無視するかで支払わない人がいるのもわかる。
たいがいの人は自分に介護が必要になるとは思ってもいないのだ。しかしいざというときに大変困る。保険とはそんなものである。

滞納していた人はいざ介護認定を受けてみたら、自分が3割負担だったことで初めて滞納していたことに気づくというケースが多い。介護保険料の滞納があると、ペナルティとして負担割合があがるのである。利用できるサービスの種類が制限されることもある。
遡って保険料を支払うこともできるのだが、まとめて支払うとなるとかなりの額になるし、2年をすぎるとそれ以上遡れない。だから不自由なまま利用する人が多い。

僕が担当した人は6ヶ月の間3割負担とされた。その間はサービス利用をせずに、6ヶ月後、1割負担に戻ってからサービスを開始した。娘さんが同居していたのでさしたる支障もなかったケースだった。こういう場合なら別に問題ない。でもさしたる支障があるケースになると、援助者としてはかなり面倒くさいことになる。

滞納している人は裏技を駆使するハメに

3割負担でも支払える人はまだいいのだが、出せるお金がない人はどうしようもない。こちらも打つ手がないのだ。けっきょく滞納していたのは自己責任でしょ、という論理になる。他の人はきちんと保険料を収めているのである。その人たちの立場はどうするのか。保険料を払っていないのに介護保険サービスを利用するのは根本的におかしい。だから差し押さえまでされるのだ。これも正論である。

といいつつ、本当にほっとけない人には裏技を駆使するハメにはる。こういう場合、ケアマネの領域を超えて働くことになり、さらに介護保険サービスを利用するわけではないのでケアマネとしての報酬がもらえない。というかどこからも報酬はでない。まったくくたびれ損である。
どんな裏技かって?それはまあ、そのう、なんというか、空からブタが降ってくるというか、企業秘密です。

なんにせよ、差し押さえらまでくらう人が年々増えていくと考えるとちょっと怖いですね。ケアマネのボランティア仕事が確実に増える。そのまえに僕自身が介護保険料を支払えるのか?ということが心配になってくるのだけれど。

そのときは援助者に「こんな裏技、ありますよね?」と提案してみるしか無いか。融通のきく人が担当してくれることを切に祈っております。AIにはたぶんできっこないから。

コメント


認証コード2194

コメントは管理者の承認後に表示されます。