介護保険法改定で3割負担導入など

護保険法がまた変わる。僕が勉強したときは介護報酬の見直しは3年に一度、法律の改正は5年に一度と習ったはずだが、なんだか毎年どこかが変わっている気がする。ものすごいスピードで枝葉が増殖していく特殊な植物のようである。しかも歪んだ育ち方をする。はっきり言って気持ち悪い。
とりあえず介護サービス利用者に直接関係しそうな情報をかいつまんで紹介。

ケアマネタイムス いつから何がどう変わるのか!? 介護保険制度の見直し、改正法が国会で成立

僕もすべてを細かく把握できないので、記事を素直に追っていく感じになっております。見出しもそのまま対応させている。なお引用している文章はすべて上記リンクから。

3割の自己負担を導入

来年の8月から自己負担が3割へ引き上げられる層が作られる。具体的な対象の範囲はこれから政令で決められるようだが、実際に負担が増えるのは利用者全体の3%程度の見込み。これで医療保険と同じように、収入によって1割から3割までの負担割合が違う利用者が整えられた感じである。

それにしても1割から2割負担まで引き上げるのに10年以上もかけたのに、こないだ2割負担の層を作ったと思ったら、1年ちょっとで3割まで拡げた。3割払う人は全体の3%とはいえ、このスピード感はちょっと怖い。

3割払う人はいったいどれだけの収入をえているのかを厚生労働省が示している。僕ははっきりいって数字に弱いので文章を読んでもよく分からない。いちおう数字を載せておくが、利用料の負担割合は7月までに郵便で届く「介護保険負担割合証」に記載されているので、それを確認するのが確実である。

一人暮らしの高齢者で郵便物の管理が心配な場合は、家族が気にかけておくこと。まあ介護サービスを利用していればケアマネや介護事業所が必ず確認するので大丈夫だと思うけれど。

厚生労働省はこれまでのところ、合計所得金額(*)が220万円以上かつ、「年金収入 + その他の合計所得金額」が単身世帯で340万円以上、夫婦世帯で463万円以上の利用者を対象にする考えを示している。単身で年金収入のみの場合は、344万円以上に相当する。

*合計所得金額 = 収入から計算上必要な控除などを行ったあとの額

現在の自己負担の上限は2割。この対象は、合計所得金額が160万円以上かつ、「年金収入 + その他の合計所得金額」が単身世帯で280万円以上、夫婦世帯で346万円以上の利用者。単身で年金収入のみの場合は、280万円以上に相当する。


僕がケアマネとして担当していた利用者で2割負担だった人は、現役の社長や会長だったり、不動産を持っていたりして、かなり高い収入があった。そういう人たちは負担割合があがってもあまり痛痒を感じていないように見えた。

問題になるのは上記の数字ぎりぎりの収入ラインの人だろう。2割負担になって老人ホームを退所しなくてはいけない要介護者もいた。3割負担になると介護費が生活着を圧迫してくる人もでると思う。たぶん単身世帯よりも夫婦世帯が厳しいと予想する。

自己負担の上限額の引き上げ

「高額介護サービス費」とは、介護にかかった費用がひと月あたりの上限額を超えると、その超えた差額分を後から払い戻してくれる仕組みのことである。介護サービスをたくさん利用してお金をたくさん使っている人はこの制度を利用していると思う。
この「高額介護サービス費」の上限額があがる。上限額があがるということは、利用者の負担額があがるということである。

と言っても、多くの高齢者は住民税非課税の人が多いので、今回は関係ない。高額介護サービス費の適用には所得に応じて1段階から4段階まであり、それぞれの段階に上限額が設定されている。この上限額があがるのが第4段階の人。いわゆる所得が現役なみにある人である。3割負担の導入と合わせ、所得が高い人の負担をあげる作戦である。

実施は今年8月で、所得区分の「一般(第4段階)」が対象。住民税が課税されており、年収が夫婦で520万円に満たない世帯などが該当する。1人暮らしの場合は383万円未満。現行で月3万7,200円の上限額を、7,200円引き上げて4万4,400円とする。

なお、正確にいうと第4段階の上に第5段階を新設するということらしい。この第5段階にあたる人が4万4400円まで引き上げられる。

「介護医療院」の創設

現在、介護療養病床と呼ばれている介護保険施設があるが、この施設は再三廃止すると言われてきた。それが延長に延長を重ねてきたのだが、今回やっと決着がつくようである(と言いつつ、まだとうぶん残るのだが)。

介護療養病床は医療的ケアが必要な要介護高齢者や、周辺症状の激しい認知症の人が入所する介護保険施設だ。要介護5の人が半数以上をしめる。特養とくらべてもめっぽう重度の人が多い。というか病院内の一部の病棟があてがわれているケースが多いので、老人病院といったほうがイメージしやすいかもしれない。実体もほとんど老人病院そのものである。財源が医療保険か介護保険かの違いしかない。

これを看取りを含めた医療サービスと住まいの機能を併せ持つ「介護医療院」に変えるということである。厚労省は2018年4月から6年かけて介護療養病床を介護医療院に転換させる。しかし介護療養病床はまだ約6万床も残っているので、6年後にすんなり移行しているか不明である。なんだかんだ言いながらまた廃止を延長しそうな気もする。

有料老人ホームの監督を強化

有料老人ホームを運営しているものは都道府県に届ける必要性がある。しかし届け出る=有料老人ホームとしての条件を満たす必要がある=大幅な改築が必要になる=お金がかかる。ということで意図的に届け出ていないホームが全国に1000箇所程度あるようだ。
無届の有料老人ホームについてはこちらのサイトの記事がわかりやすくまとめられていてよかった。 
みんなの介護  https://www.minnanokaigo.com/news/N99341246/

無届け=悪質なケアの老人ホームというわけではないと思うが(逆もまたしかりなので)、どちらにしても規制が厳しくなる。届け出をしない有料老人ホームに対しては、来年度から都道府県が事業停止命令を出せるようになる(今は業務改善命令までしか認めていない)。しかし、そもそも有料老人ホームとして届け出ていないのに、行政処置として業務停止させることができるのだろうか?

また仮に命令を出せるとして、それにホームが従ってしまうと入居者をどこに移転させるか、という問題が持ち上がってくる。この問題があるから今まで強制的な態度に出れなかったわけである。いったい具体的にどうやるのだろう?これもなんだか結局うやむやになりそうである。

地域包括ケアの理念はどこへ?

他にも「地域共生社会」やら「小規模デイの参入規制」やら「地域包括支援センターの評価義務」やら、盛りだくさんに改定される。地域共生社会の理念?を盛り込むところなどは利用者負担アップの隠れみの的な感じである。ところで地域包括ケアの方はどうなったのか。

3割負担導入など毎回押さえるところはしっかり押さえてくるところがまたいやらしいが、団塊世代が要介護者になる時代はすぐそこである。単純に要介護者の数が増える。しかし介護職の数はそれに比例しては増えない。

まともに考えると、公的介護保険だけでまともな介護が受けられる時代が終焉しそうな予感がする。僕の父親も65歳を超えたので、まったく他人事ではない。やれやれ、いったいどうなるんでしょうね?

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