近所の図書館で手に入る老人ホームの選び方本

護施設選びは難しい。介護保険が始まった頃は「介護サービスは利用者が選択できる」とさかんに言われていた。でもこの考え方は少なくとも入所介護においては理想を通り越してファンタジーではないだろうか。

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祖母の介護施設入所を考える
僕の父方の祖母は福岡で一人暮らしをしている。85歳で要介護1である。体はまあ動くのだが、少しボケていて訪問介護とデイサービスを利用している。服薬管理ができなくて、家に勝手に人が入ってくると思い込む妄想がある。時間の感覚があいまいになっていて、何か気になることがあると深夜に電話をかけたりもする。

でも一人で買い物に行き、調理もできる。通院もバスを乗り継いで一人で行っている。慣れたことならできるのである。会話も85歳の老人ならこんなもんだろう、くらいのレベルである。確かに物忘れはあるが、孫の僕のこともちゃんと覚えていて、人格変化などもない。

僕は在宅のケアマネとして、これくらいのボケ具合の独居老人をたくさん見てきた。僕の目からみれば在宅生活をまだまだ続けられるレベルである。しかし祖母の周囲の人間はそう思わなかったらしい。祖母の主治医が介護施設に入れと言う。担当してもらっているケアマネも医師の言葉を真に受けてか、施設入所を匂わせてくる。

僕は京都に住んでいるし、父親は大阪である。頻繁に祖母のところにはいけない。そこで数ヶ月おきに父親と車で片道8時間かけて福岡までいき、様子をみている。僕はケアマネの経験から祖母の生活状況をだいたい予想できるのだが、父親はそうはいかない。主治医や担当ケアマネから施設入所の話を聞くと、そうしたほうがいいのかと思う。まあ当たり前である。なにせ相手はその道の専門家なのだ。

それで先月、担当ケアマネが推薦する(というかケアマネが所属する同じ法人の)介護付き有料老人ホームに父親と一緒に見学に行ってきた。

老病死に向き合いたくない
特養や老健なども施設ごとに設備や介護レベルに差があるが、介護付き有料老人ホームはその落差がもっと大きい。見学にいった老人ホームは一時入居金なし、月々の費用も特養並みという本当に有料老人ホーム?といったところだった。介護の中身も普通レベルの特養並で、可もなく不可もなくという印象。一つだけ例をあげるなら、お風呂が個浴ではなく、車椅子の人は全員機械浴を使用するレベル。僕ならその程度の介護施設に身内を入居させる気は起きない。

でも祖母は担当してもらっているケアマネがすすめているホームだという理由で、入るならそこだと漠然と決めているようだった。父親もどうせ入居させるならここでいいか、という感じである。父親としては他の老人ホームの見学にいくのがおっくうなのである。距離が遠すぎるし、普通の人は本能的に介護のことなんて考えたくない。老人介護には人が本能的に避けたい老病死がすべて詰まっている。自分の母親の老病死に向き合いたくないのである。その気持ちは僕にもわかる。

なにより父親は介護施設の違いを判断する基準を持っていない。見学して比べようにもどう比較すればよいのかわからない。だからよっぽどひどいと感じないかぎり、いろいろなホームを比較検討しようとは思わないのだ。新婚旅行の行き先を決めるのとはわけが違う。

家族が介護施設を選ぶための勉強に使えるテキストは?
僕はこれまで相談員やケアマネとして外部から家族の様子をみてきた。しかし、はじめて内部から施設入所を検討している様子を見ていると、これは介護の知識をもっていない家族がちゃんと老人ホームを選ぶのは難しいだろうな、と思った。

そう思って普通の人が普通の手段で介護施設を選択できる力が持てるか?を考えてみたくなった。そこで図書館で手に入る本でそれが可能かを検証してみることにした。図書館は規模によって揃えている蔵書数が違うが、市立図書館レベルを想定した。実際に僕の家の近所にある市立図書館に行って、どんな本があるかを探してみた。すると意外に介護施設選びに関する本が揃っているのがわかった。その図書館には以下の8冊があった。




介護施設の選び方に役立つ本はどれ?
本を読んでみると、家族が入所施設を選ぶのに役立つものは確かにあった。しかしすべてをすみずみまでくまなく読むのはよっぽど介護に強い関心をもっている人だけだろう。
そこでとくに役立つと思われる箇所をピックアップしてみることにした。

中には数年前に出版された本もある。介護制度の変遷は激しいので数年たつと情報が古くなってしまう。しかし図書館で普通に手に入る本という条件を前提に、借りてきた本を使用することにした。本に掲載されている情報が古くなっていれば、今はこうなっていますよ、と注釈をつける。また新しい版がでているものはその旨も付け加えるので、もし購入したいなら最新版をアマゾンなどで探していただきたいと思う。書名をクリックするとアマゾンのサイトにとぶ。一部アマゾンにないものもある。

さて、それでは「介護の知識がない家族が施設選びに役立つかどうか?」という視点で一冊ずつ読んでいきたいと思う。

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