要介護者のアセスメントの書き方 その1

セスメントと子育てのどこにつながりがあるのか自分でもよくわからないのだけれど、書いちゃったのだからしょうがない。今回できるだけ専門的にならないように書いてみたいけど、ならなかったらしょうがないとあきらめます。

実践的アセスメントには5項目
前回は介護関係者向けに用意されているアセスメントシートには無駄な項目が多すぎると書いた。そして実践的に考えれば、項目は5つに絞れるとも書いた。つまり(1)食事、(2)排泄、(3)入浴、(4)レクリエーション、(5)医療だ。

アセスメントシートはケアプランに直結したものがいい。前回も書いたように勉強用のテクストとしてアセスメントシートを使うのなら、数ページに渡る細分化された項目のシートを埋めていく作業もいいと思う。効率は悪いがそれを無駄とは思わない。効率の悪いことをさせられながら、そこから本当に使える知識・技術を自ら習得していくのが初学者だからだ。

しかし現場の人間は違う。できるだけ無駄は省き、効率的でありたい。そこでアセスメントである。在宅であろうが施設であろうが、ケアマネであろうがなかろうが、要介護老人の状態を把握(アセスメント)する能力は介護職なら必須である。

閑話休題
僕がここで想定しているのは施設介護におけるケアプランである。ケアプランには詳細な生活歴などは記載しない。生活歴は大事だが、ここではそこまで触れないことにする。ちなみ性格的なものだと思うけれど、僕は最初から生活歴について深く聞いたりはしない。看護師に多いが、初回アセスメントの時からそれはもう事細かに生活歴を聞く人がいる。

僕が聞かれる方の立場なら、1,2回会ったくらいの人に自分のプライヴァシーをさらす気はまったくない。僕が介護職の経験がない人間なら介護サービスを受けるだけなのに、どうし職歴やら趣味やらを話さなくちゃいけないんだ、と思う。

僕は性格的に他人と人間的な関係を作るのに時間を要するタイプなのだ。自分がけっこうひねくれた性格だから、関係が成り立っていないお年寄りや、その家族と初回アセスメントの段階でつっこんだ生活歴を聞き取ろうとは思わない。でもこれはもちろんケースバイケースである。特殊な事情(虐待の疑いがあったり、多数の問題を抱えた家族など)の時には最初からつっこんで聞かなければならない。

なぜケアプランが必要なのか
さて、そもそもなぜケアプランが必要なのかをまず確認しておかなければいけない。箇条書きにしてみる。

・介護現場では交代制で複数の介護職がケアにあたる
・とうぜん介護職によって介護の手順、方法がバラバラになる
・それだとお年寄りがすごく迷惑する(今日はトイレ誘導されたのに、昨日はオムツの中にしなさい、と言われたとか)
・今後のケアの方向性(例えば経口摂取にこだわるのか胃ろうにするのか)を明確にしないと、どこを頑張ればいいのか(どこを手抜きしたらいいのか)分からない
・ケアの方向性を共有しないと介護職員間で「あの人の仕事は雑だ」、とか「あいつ良い子ぶりやがって」、などの不協和が発生する
・そんなこと知ったこっちゃないが、一番不利益を被るのは一番弱い立場にいるお年寄りである

監査のためだとか、そういう後ろ向きな理由はここでは触れない。

認定調査の定義は窮屈
僕が考えている食事、排泄、入浴のアセスメント概念を説明するために、介護認定調査の定義をひっぱってこよう。食事、排泄、入浴については以下のような定義になっている。

食事:箸やスプーンを使った摂取動作のみ。調理や皿を食卓に運ぶことや、その後の片付けなどは含まれない。

排泄:トイレ内(あるいはポータブル、ベッド上)の一連の排泄動作のみ。ズボンの上げ下ろし、排泄後の拭き取り、パッドの処理、水を流すことができるか。ここではトイレまでの移動またはポータブルトイレへの移乗動作等は問われない。便意の有無さえなし。

入浴:洗身・洗髪行為ができるかのみ。着脱も浴槽への出入りも問われない。

ずいぶん限定的で窮屈な定義だと思う。入浴といったら浴槽の出入りが行為として入るはずである。排泄もトイレまでの移動があるはずだ。トイレがしたくなったら瞬間移動で便器の前に移動できるわけじゃない。そうできたら楽だけど。

我々は人間だから便意をもよおしたら、自分の脚か車椅子でトイレまで行くしかない。食事もしかりである。例えば在宅介護で食事についてアセスメントするとしたら、僕なら最低限以下の情報を取る。

食材の買い物はどこで?お店で?配達で?お金の管理は?計算は本人ができる?調理はどの程度できる?手指や下肢に問題は?食事回数、内容は?栄養状態は?水分量は?体重は?自分で食べられるか?介助者はいるか?

施設介護なら以下のようになる。在宅に比べて取得する情報の範囲は狭くなるが、そのかわりに一つひとつの深度が増す。

食事介助はどの程度必要?食事の形態は?ペーストか刻みか普通か。塩分、カロリー制限はないか。避けるべき特定の食材の有無は?箸かスプーンか。水分はコップ?ストロー?嚥下状態は?トロミの有無、粘度(スプーン何杯か)。胃ろうなら注入方法は?栄養剤のあとの水は何cc?座位は何分とれる?

生活は一つひとつの動作が独立して成り立っているわけではない。すべて繋がりを持っている。それを単体ごとに切り取って課題を探すのは、逆に効率が悪くなるのではないか、と僕は考えている。

そしてアセスメントとはシートの項目を埋めることではない。あくまでも問題となっている部分をあぶりだすためのものである。そしてそれを自分だけでなく他者にも伝えるものだ。

だからとくに問題ではない部分は記載する必要がない。そして上にも書いたように食事動作一つとっても複数の動作から成り立っている。わざわざ買い物や嚥下などと分ける必要はない。そしてここが一番大事なのだが、文章は読む人のレベルに合わせた書き方をしなくてはいけない。そのためには自由記述しかないのである。

僕たちが行う介護という仕事を構成するのは食事、排泄、入浴である。ここが基本だ。このそれぞれの行為の中に付帯する行為で、記載すべきと思われる生活上の問題があれば関連付けて書けばいいのだ。

例えば「移乗」は排泄か入浴のどちらかに書けばいい。より問題に関連したほうに自分の見解を交えて書くべきなのだ。少なくとも僕は現場でそうしてきた。

なんかかなり専門的になってしまったような気がする。しかも子育てとまったく関係ない内容だったりする。まあいいや。
アセスメントの残りの2つ、レクリエーションと医療(看護)についてはまた次回に。

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