3歳児の育児負担を要介護度で換算する

僕は現在8歳の男の子と3歳の女の子の育児をしている。妻は仕事で一日中いない。ゆえに子どもたちと一日中べったりである。

正直つかれる。夜中に一人で皿洗いをしていると、涙がこぼれそうになる。そんなときは上を向いて歩きながら、すき焼きを食べている。同情するなら肉をくれ。

さて、3歳の娘の育児負担を数値で表現できないかと思い、僕の十八番の介護認定調査を使うことにした。育児負担度を要介護度で判定しようという強引な企画である。

結果だけ載せてもいいのだけれど、それじゃ説得力もくそもあったものではないので、しばらくお付き合いください。

介護の認定調査には74の項目がある。全部はとりあげない(そんな時間も気力もない)。グループ分けしたものだけここに記す。

「1 身体機能・起居動作」、「2 生活動作」、「3 認知機能」、「4 精神・行動障害」、「5 社会生活への適応」の5つだ。
介護認定調査には「6 特別な医療」も加わるが、今回は除外。

ではさっそく見ていきましょう。

「1 身体機能・起居動作」
・起居動作(寝返り〜立ち上り)は全て自立。
・お風呂の洗身は全介助。指示すれば胸やお腹は洗えるが、不十分なので介助者が介助している。
・爪切りも全介助。

「2 生活動作」
・食事の摂取動作は自立だが、食べこぼしが多く毎回衣類が汚れるため介助者が更衣介助している。手間になっている。
・排尿は日中は自立だが、夜間は尿失禁があるため紙パンツを着用。月に数回はもれて布団が汚れてしまい、手間になっている。排便は拭き取りができないため一部介助。便秘はしていない。
・歯磨きは全介助。洗顔は声掛けがあれば行うので一部介助。整髪は自分で行えるが不十分。介助者が全て行っているため全介助を選択。
・上着の着脱は途中までは自分でできるが、かぶりの服は頭を抜くことができないため一部介助。入浴後、声掛けしないといつまでも裸でいたり、協力動作もないため介助者は精神的負担を感じている。ズボンは声掛けすれば自分で着脱できる。

「3 認知機能」
・家族に対しては意思の伝達は可能だが、家族以外の人にはできるときとできないときがある。
・日課について尋ねるが、朝食のメニューを繰り返すだけであった。毎日の日課の理解はできないと判断。
・生年月日は答えられなかったが、年齢は3歳と言えた。
・「今日の朝に何を食べましたか?」という問いに「みかんだけ」と答えた。実際はご飯と味噌汁をそれぞれ2回おかわりしていた。短期記憶はできないと判断。
・最初「わからない」と答えたが、再度問うと、自分の名前は言えた。
・今の季節を聞いたが「わからない」として答えられなかった。
・自分がいる場所(自宅)の理解はできた。

「4 精神・行動障害」
・突然泣いたり笑ったりして大声をだし、感情が不安定になることが一日のうちに3、4回ある。
・保護者が車の運転をしている最中に何度も「こちらを見て」と同じ話をすることが週に1回以上ある。場面や目的からみて不適当なので選択。
・話の内容に一貫性がなく、話題があちこちにとぶ。質問にたいして全く無関係な話が続くことがある。家族は適当に話を合わせている。

「5 社会生活への適応」
・金銭の計算ができないため、家族が金銭の管理をしている。
・見たいテレビ番組や着る服の選択に関する意思決定はできるが、医療の治療方針など複雑なことになると家族の支援がいる。
・買い物は家族がすべて行う。
・電子レンジの使い方などがわからないため、炊飯、レトルト食品の加熱など簡単な調理はすべて家族が行っている。

と、だいたい上のようになりました。
これを一次判定にかけてみる。今回使ったのは最下段のリンクの一次判定シミュレーション。これで介護度が出る。便利な世の中です。

さていくらかになったかというと、結果は要介護2。

前回の「今回は育児に関係ない話」のなかで要介護2について僕はこう書いた。

2・・・身の回りのことでできることは多いが最低限といったレベル。移動に問題がある人が多い。椅子への乗り移りに軽く手助けがいる場合も。身体に問題がなくても認知機能が普通より低下している場合もこのレベル。一人暮らしには必ず何らかの支援が必要。

今回の結果を見る前に書いたのだけれど、まあ当たっていると思う。本当は要介護3くらいになるかなと思ったけど、まあ自分で歩けるし、走れるしね。

「こんなに大変なのにこの介護度?」
でも今回気になったことが一つ。娘の育児負担では身体ケアよりも認知面でのケアが多かったが、それらを合わせても要介護2というのは軽いんじゃないかという感覚を持ったこと。

もともと認定調査は認知症介護の部分が過小評価される、つまり要介護度に正確に反映されないという批判を受けてきた。自分の家族の要介護度(育児負担度だけど)を出してみると、たしかにそうだよなと思ってしまった。自分が主介護者だからよけいそう思う。

「こんなに大変なのにこの介護度?」みたいな。この手の言葉はよく要介護老人やその家族から聞いた。今になって気持ちがよく分かる。

身体的なケアもたしかに負担だが、それ以上にキツイのが認知機能の低下に対応することだ。頭では認知症だからこんな行動をとるのだとわかっていても、イライラするし落胆するし鬱になるのも分かる気がする。

僕の場合は自分の娘だからまだいい。そこには選択と責任が僕自身の側にあるからだ。これが自分の親や配偶者の親だったらと思うとぞっとする。老人介護には選択も責任も、介護する側にはないのだから。

最後に介護と育児の話がつながった。よし。
次回はお産の話。初産で寝込んでしまったことなどについて(産んだのはもちろん僕ではありません)。


介護関係者以外は読まないと思いますが、いちおう今回参考にした資料は以下のリンク。

・認定調査員テキスト 2009 改訂版
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000077237.pdf

・一次判定シミュレーション
http://www.j-dental.or.jp/JEDA/oralcareC/nintei/nintei21.php?&checkedG1=0&checkedG2=&checkedG3=&checkedG4=&checkedG5=&checkedD=&#G1

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