妻について語るのは難しい

について語るのは難しい。できれば思い出の品みたいにそっとしておきたい。しかしこれは子育ての話だし、さらに専業主夫である僕の話でもある。であるならば、妻の状況についても最低限の記述が必要だろうと思う。あまり記述したくないけれど。

一生わたしが養ってあげる
彼女は大手不動産会社の営業職の仕事に就いている。昨年の夏からだ。それまでは僕がメインで働き、妻はパート勤務と家事・育児を担当していた。この担当を僕たちは交代した。今は妻が大黒柱である。彼女がそう望んだ。

「一生わたしが養ってあげるから」という言葉に鼻血が出た。

妻の通勤は片道2時間かかる。朝は6時過ぎに家を出て、夜は10時を過ぎないと帰宅しない。休みはいちおう週休2日だけど、顧客のつごう次第で休日出勤することも多い。休日出勤したぶん他の日に休めるかというとそうではなく、サービス出勤だから休みは削られる。仕事がない日にも自らすすんで仕事にいくこともあるので(僕には理解できない行動である)、週休2日になっていない。

あまり妻の働いている会社のことを悪くは言いたくないのだが、僕の目からみればかなりブラックな会社である。自分なら就職したいとはまったく思わない。

家事に向いていない妻
なぜそんな会社に就職したのか。彼女は言う。

「私は1千万円プレーヤーになるの」。

いままで僕たちはお金にそれほど執着してこなかった。金はあるにこしたことはないけれど、ないならないでそれなりにやっていくしかないと考えてきた。しかし彼女には思うところがあり、考え方を少し変えた。僕の方の考え方はあまり変わっていないのだが、彼女が仕事することに反対する気はおきなかった。なぜだろうと考えてみると、主な理由は2つあった。

まず妻には家事が向いていないということ。これを認めないと話が前に進まないので勇気を出して書く。これは必要悪である。

家事ではとくに料理がダメだ。具体的に言うと、材料を同じ大きさに切りそろえられない。火の通りが均一にならないし、食感も悪くなる。味噌汁に入れる豆腐を縦✕横✕高さそれぞれ4センチにしたりする。それはもはや豆腐の味噌汁ではない。味噌味の湯豆腐である。
さらに味見という概念がない(アンビリバボー)。カレーをまずく作る(特殊能力か?)。

もっといろいろ書けるんだけど、これ以上書くと妻に捨てられかねないのでやめておきます(というかすでに非常にまずい状況になっていると思います)。もし明日記事の更新がないときは、どうぞ察して下さい。

2つ目は子どものために(主に教育費)お金が必要になったこと。長男は神戸の普通の公立小学校に通っていたが、2年生の2学期から京都のシュタイナー学校に転校した。ここは授業費がかなり高い。下の子もいるので、2人して学校に通うと教育費だけで収入の大部分を持っていかれてしまう。いや、ほんとに。

妻がこの学校を選んだ。僕はシュタイナー学校についてはほとんど何も知らない。あまり興味がない。でも妻が決意して望んだことに反対するつもりはなかった。いままでさんざん好き勝手に転職を繰り返してきたのだ。関東に住みたいという理由で埼玉に引っ越し、海の近くで住みたいという理由で神戸を選んだ。しかしそのたびに彼女から文句を言われた記憶はない。だから僕に文句を言う資格はない。

特に不満のなかった職場を辞め、さらに家を売り、見知らぬ土地に住むメリットは僕の方にはない。でも今度はこちらが折れる番だと思った。今まであちらが折れてくれたのだ。しょうがない。僕はこういう諦めは早い方である。

いいコンビだと思うけれど
考えてみれば結婚してから11年になる。僕は自分の私的領域を侵されるのをひどく嫌う人間である。他人に干渉しないかわりに他人から干渉されたくもない。その傾向はかなり強いと思う。そんな人間が10年以上も同じ屋根の下で他人と生活しているなんて、自分でもときどき現実とは思えない気がしてくる。ほっぺを強くつねってみる。痛い。

別に妻のことをよく知っているというわけではない。よく知っているようでいて本当はよく知らないと思う。他人には話さないような話をお互いにすることはあっても、それは妻の人間の一側面を見ているに過ぎない。僕は会社で働いている妻をみたことがないし、親しい友人と本当はどんな話をしているのかも聞いたことがない(聞かないほうが懸命だと考えている)。
妻と言えども秘密や人間性の全てを理解できるわけがないのだ。それは逆もまたしかりである。僕だって妻にも見せないことはいくつかある。そうですよね?

なんか歯切れが悪い文章になってしまったけれど、冒頭に書いたように「妻について語るのは難しい」のだ。まあ11年も結婚生活が続けられているんだから、なんだかんだでけっこう良いコンビなんだと思いますけど。

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