介護が大変という理由でグループホームを追い出された人

老人たち

左方麻痺、運動失調、オムツ、車椅子
僕がショートステイ施設で介護職をしていた時、印藤さんという人がグループホームから移ってきた。170センチ以上ある大柄な男性で、昔は外国人相手のハイヤーの運転手をしていたという人だった。高次脳機能障害があったが、ときどき英語がでた。僕でも理解できるくらいの英語だったが、ユーモアのある面白い人だった。
印動産は脳梗塞で左片麻痺の障害があった。加えて運動失調。運動失調は目に見えない障害だから理解されにくい。ベテランの介護職でも経験がなければ特有の障害の認識ができないくらいだ。

グループホームを追い出された理由
彼は「介護が大変になったから」という理由で入所していたグループホームを追い出された。そういう理由で追い出されることがあるのだ。何せグループホームは「家庭的な雰囲気」を大事にする施設だから、家庭的な雰囲気を壊す老人は出て行ってくれというところがある(すべてのGHがそうだというわけではない)。
だから印藤さんは、次の生活場所が見つかるまでをショートステイでつなぐことを目的として、僕たちの施設にやってきた。いわゆる「介護難民」である。
息子はオーストラリアにいたので手続きいっさいは実の弟がしていた。しかし弟も高齢ということもあり、病院のつきそいやその他さまざまなわずらわしい仕事から早く解放されたがっていた。そういうことは傍目からちゃんとわかった。弟は兄の介護にはもうできることなら関わりたくないのだ。

3人がかりでの介助が必要だった人
印藤さんの介助で何が大変かというと、移乗だった。運動失調と以前の施設でのめちゃくちゃな介助のせいだと思うが、前かがみになるのをとても怖がる。だから立ち上がりの生理的曲線が引き出せない。すると、すごくしんどい。本人も介助するほうも。
車椅子からベッドに移すときは車椅子のアームレストをつかんだ指を一本ずつほどく必要があった。一度ものをつかむと、自分で離すことができないのだ。また乗り移りのときは緊張して全身に力が入ってしまうため、身体が動かなくなる。僕たち介護職はヒイヒイ言いながら2人で、ときには3人がかりでなんとか介助を行っていた。本当に大変だった。これじゃ根性のないグループホームなら追い出しにかかるだろうな、と思った。

左肩麻痺の運動失調と理解力に問題がある高次脳機能障害で大柄な男性。介護が大変なわけがない。でも僕たちはちゃんとこの人のケアに関わった。追い出すことなんてことはけっしてしなかった。

コメント

  • ハイハイ

    根性の無いグループホームなんてふざけんな

    グループホームで3人がかりでやってみろ

    他の利用者はほったらかしか?

    夜勤は原則1人で回さないと売り上げだって厳しい。

    慈善事業ではない。

    1人のために8人が犠牲になるより8人を選んだだけのこと。

    このブログのことはしっかり広めさせてもらいます。



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